【 ミドエンジンのフレンチロケット 】 1972年に登場したルノーのFF大衆車、5(サンク)。この5をベースに、世界ラリー選手権制覇を目指して開発され、81年に発表されたのが5ターボです。本来の後部座席部分に1.4リッター直列4気筒エンジンをミドシップマウントし、ターボチャージャーと電子制御燃料噴射装置を組み合わせて160馬力を発揮。最高速度は200km/h、0-400m加速は15秒台を誇ります。さらに、足まわりはダブルウィッシュボーン4輪独立、ブレーキは前後ともベンチレーテッドディスクを採用し、走行性能に加えて制動力にも磨きをかけています。また、オーバーフェンダーで存在感抜群のボディはルーフやドアをアルミ、ボンネットやフェンダーなどを樹脂製として910kgの軽量ボディを実現。10個の小径メーターを配置したインパネや革張りのシートなど、高性能を強調する豪華な車内も注目です。迫力あふれるボディにハイメカニズムを秘めた5ターボは1981年のモンテカルロラリーで初優勝を獲得。その後も並みいるハイパワー4WDマシンを相手に各地のラリーで大きな活躍を見せたのです。